いじめ

自閉症スペクトラム症の早期発見・早期治療、その先は?

1.自閉症スペクトラム症の増加の背景

近年、自閉スペクトラム症と診断される人の割合が世界的に増加しており、2014 年のアメリカの調査では 8 歳児での有病率は 1.68%との報告があるそうです。

日本の自閉スペクトラム症の累積発生率は 5 歳で 2.75%という研究結果が報告されています。その増加の主な理由としてスクリーニング精度の向上があるとの事です。(Trends in Autism Spectrum Disorder Diagnoses in Japan, 2009 to 2019)

この研究結果から、より早期発見、早期介入が進んできているということです。

2.早期発見・早期介入の重要性

私が関わる方々は、成人になってから違和感が持って診断がついた方や、うつ病などの二次障害から結果的に自閉症スペクトラム症だったことが分かるケースが多いです。

何かうまくいかないこと(不適応)があって、そこから医療や福祉的支援に行きつくということです。

その場合、本人自身も周囲の環境も、非常に複雑な状態に陥り、単純には紐解けない所謂、「困難ケース」と言われる状態になっちゃうんです。

一方で、学童期以前の早い段階で、福祉的支援が入ることで、大きなストレスがかかったり、トラウマ体験をせずに成長できます。

そうなってくると、シンプルに発達障害の特性に対する支援を行えば良い状況です。

この場合には、成人期に医療や支援につながる方とは、その後の生きやすさが違ってくるのは想像できますよね。

現場で考えるのは、「もっと早い段階で、本人の自覚、周囲の正しい理解があれば、ここまで大変な状況にはならななかっただろうな」と思うことがあります。

3.サードプレイスって必要かも

3歳児検診でのスクリーニングと現代の情報社会によって当事者・家族が知識や情報へアクセスしやすくしたことが、早期発見につながっていると思います。

では、早期発見できた後、その先に何が必要となるかを考えると、家庭や学校、福祉機関以外のサードプレイスが求められてくると考えます。

オフライン(既存の集まりやイベント)とオンラインの双方を行き来できるような、そんな場所を作っていきたいなと思った週末の午後でした。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!