前回に引き続き、プレゼンテーションにおける構成と表現法について整理します。
1.プレゼンテーションの構成
結論から伝える
聞き手は最初の数分で話し手の主要なメッセージを知りたがっています。
つまり、一言目から聞き手の心をがっちりと掴むのが大事ということです。
聞き手の注目を引き、どのような話であるか、何を期待すべきかをすぐに示すことで、興味を持続させて、理解を深めてもらいやすくなります。
SDS法
Summary:結論要約 ⇨ Details:詳細説明 ⇨ Summary:結論
①聞き手にこれから何を話すかを要約して概要を話す。
②理由や事例・体験談などを入れ、詳細を具体的に話す。
③最後に、もう1度何が要点か結論をまとめる。
2.伝わる表現法
プレゼンター自身に関連する要素である聴覚と視覚を意識することによって、話し手と聞き手の信頼関係を構築することにつながります。
メラビアンの法則
視覚と聴覚という内容ではない点を挙げるかというと、さまざまな研究から根拠が示されているためです。
メラビアンの法則とは、人と人とのコミュニケーションにおいて、
視覚情報:55%
聴覚情報:38%
言語情報:7%
のウェイトで影響を与えるという心理学上の法則の1つです。
五感による知覚の割合
五感による知覚の割合『産業教育機器システム便覧』p4
教育機器編集委員会編 日科技連出版社 1972
人間の五感による知覚(情報判断)の割合は
視覚:83.0%
聴覚:11.0%
嗅覚:3.5%
触覚:1.5%
味覚:1.0%
つまり、プレゼンを成功させることだけを考えるのなら、ウエイトの大きい視覚と聴覚を抑えれば、正直内容が大したことがなくても、合格ラインを越えられるということです。
勿論、内容にはこだわるべきだと思いますけど。
視覚的なポイント
身振り(ジェスチャー)
話の内容を補強するために、自然な身振りを使用する。
視線(アイコンタクト)
聞き手とのつながりを保つために、視線を適切に使う。
姿勢
立つときは背筋を伸ばし、座るときは適切な姿勢を保つ。糸で吊られるピノキオ的な感じ。
表情(笑顔)
話す内容に合わせて、表情を変化させる。
聴覚的なポイント
明瞭な発声
高すぎず低すぎない、自然で聞き取りやすい声。
アクセント
話す内容により重要度をつけるために、適切な抑揚をつける。
トーンとスピード
メッセージ全体を通して一貫したトーンとスピードを保つ。
問いかけ
聞き手との交流を促すために、定期的に問いかけを行う。(状況にもよります)
プレゼンター自身の振る舞いは、聞き手がメッセージをどのように受け取るかに大きく影響します。
当たり前のことばかりと感じた方もいるかもしれませんが、ポイントを押さえたプレゼンは非常に聞きやすいです。
プレゼンがうまい人がどうしているかを観察してみるのも良いかもしれません。
実践するには、心に余裕をもつことが必要なので、場数をこなして自信に変えていく、というのが私の結論です。ではまた。